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【 第110回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「労働条件通知書って本当に必要?」
新年度がスタートし、新入社員に「労働条件通知書」を交付する機会が多いのではないでしょうか。
今回は「労働条件通知書」を万一交付しなかった場合は、どのようなリスクがあるか確認していきましょう。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

4月から弊社にも新入社員が入社し、「労働条件通知書」を交付しましたが、そもそも「労働条件通知書」は必ず交付しなければいけないものでしょうか?

はい、基本的にすべての従業員に交付する必要があります✏️
正社員はもちろん、契約社員やパート、アルバイトも含まれます。
労働基準法第15条で、労働契約を結ぶときには労働条件をきちんと明示するよう義務付けられているんです。

「明示する」というのは、口頭で説明するだけではダメということですか?

残念ながら、口頭だけでは不十分です🤨
特に契約期間や就業場所、賃金などの重要な条件は、書面等で明示しないといけません。
ただし、労働者が希望する場合は、FAXや電子メールで明示も可能です。
あとで「言った・言わない」のトラブルになるのを防ぐためにも、書面での交付が安心ですね。

たしかに、トラブルは避けたいですね。
でも、もし渡してなかったらどうなってしまうのですか?

労働基準法違反になってしまうので、労働基準監督署から是正勧告や行政指導が入る可能性がありますし、場合によっては30万円以下の罰金が科されることもあります。
それに、もしその情報がSNSや口コミで広まったら、会社の評判にも影響しますよね。

それはちょっと怖いですね。
従業員の不信感にもつながりそうです。

そうなんです。
口頭だけだと、労働時間や賃金の認識にズレが生じやすくなります。
実際に、通知書を交付していなかったことで、未払い残業代をめぐる裁判に発展したケースもあります。
従業員との信頼関係を築くうえでも、義務付けられている事項を明示することがとても大事です。

なるほど…。
実は今後、助成金の申請も考えてるんですが、労働条件通知書は関係ありますか?

はい。一部の助成金の申請では、労働条件通知書の写しの提出が求められます。
これがないと申請そのものが通らないケースもあるので、きちんと準備しておくことが大切です。

助成金にも影響するんですね。
入社時や労働条件に変更があった時には、必ず交付するようにします📄

その通りです。
それに、2024年4月から労働条件の明示ルールも一部変わりました。
就業場所や業務内容の「変更の範囲」など、新たに記載しないといけない項目も増えています。
この機会に、社内で労働条件通知書の内容を見直してみてくださいね。
【 第78回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「労働条件明示のルール変更」でも詳しく説明しています。

わかりました!さっそく確認しておきます😄
ありがとうございました!
POINT
①労働条件は、書面の交付等で全従業員に必ず明示しなければならない。
②交付しなかった場合、労働基準法違反となるだけでなく、会社の信用低下、助成金申請不可などのリスクにつながる。
③2024年4月から明示項目が追加になったため、就業場所・業務内容の「変更の範囲」などの記載が求められる。
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