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【 第7回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】 「求人票 記載事項の注意点<固定残業代>」

『固定残業代』を支給する場合の求人票の書き方ご存じですか?

優秀な人材を採用するために、求人票はとても大切な要素の1つです。
しかし、『固定残業代』などの項目は求人票にしっかりと明示しないと、採用後にトラブルになってしまうことも…
求人票を出す際には、どのような点に注意したらよいのでしょうか?


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

先日、他社の総務担当者から聞いた話ですが…
中途で入社した従業員から『求人票の内容と実際の労働条件が違う』と指摘され、トラブルになったようです。
20時間分の固定残業代を支払うと伝えていたものの、固定残業代が基本給に含まれており、それがトラブルの原因になったそうです。

従業員の方は想定した残業代が支払われずに、トラブルになったのでしょうか?

そのようです。
固定残業代がある場合には、求人票をどのように書くと良いのでしょうか?

ハローワークで募集する求人票には次の”① ~ ③”の内容をすべて明示することが必要です。
また、これはハローワークだけでなく、転職サイト等を運営する職業紹介事業者についてもこれに準じた取扱いが求められています。
実際、適切な記載をしていないことで、変更を求められるケースもあります。
①固定残業代を除いた基本給の額
②固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
③固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

3つの内容が必要なんですね❢
具体的にはどのように記載することになるのでしょうか?

例えば、以下のような記載が考えられます。

・ 基本給:260,000円(固定残業手当を除く額)
・ 固定残業手当:40,000円

 (時間外労働の有無にかかわらず、20時間分の時間外手当として支給)
・ 20時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

分かりやすく明示することが重要なんですね☺
採用面接の際にも説明しておいたほうが良いですよね?

そうですね。
また、固定残業代以外のことにはなりますが、求人を行う際の注意点として、あらかじめ示した条件から労働条件が変更となった場合には、その内容を求職者に明示することが義務付けられています。
この明示は、変更前後の内容を対照できるようにして書面交付をする方法が望まれますが、変更された部分に下線やマーカーを引くような方法も考えられます。
ただし、当初明示した労働条件を安易に変更してよいという意味ではありません。

入社後に『採用面接の際に聞いていた内容と違う!』と言われることがないように、対応しておくことが必要なのですね。
当社でも気を付けたいと思います。
ありがとうございました。

POINT

①固定残業代の支給がある場合、求人票等に所定の事項を明示しなければならない。
②求人票等で明示した労働条件が変更になったときは、求職者に変更内容を明示しなければならない