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【 第15回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「割増賃金の基礎となる賃金」

割増賃金の計算 👀 正しく計算できていますか?

時間外労働・休日労働などがあった場合、割増賃金の支払いが必要となります。
この割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額は、月給制の場合、各種手当も含めた月給を1か月の所定労働時間で割って算出します。
この各種手当にはどのような手当が含まれるでしょうか?

 


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

時間外手当など割増賃金の計算をする場合、基本給のほかに役職手当職務手当も含まれますか?

どちらも割増賃金の基礎となる賃金に該当します。
割増賃金を算出する場合の基礎となる賃金は、法律上『通常の労働時間又は労働日の賃金』と規定されています。
しかし労働と直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支払われる以下①~⑦は、割増賃金の基礎となる賃金から除外することができます。(労働基準法第37条第5項、労働基準法施行規則第21条)

①家族手当 ②通勤手当 ③別居手当 ④子女教育手当 ⑤住宅手当
⑥臨時に支払われた賃金 ⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

そうなんですね。

この①~⑦は例示ではなく限定的に列挙されているものですから、これらに該当しない賃金は全て割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければなりません!

ここにある手当以外は除外できない!ということですね。

その通りです。
また①~⑤の手当については、単に名称によるものでなく、その実質によって取り扱うべきものとされています。

当社では『扶養手当』を扶養家族の人数に応じて、配偶者1万円、その他家族には5千円支給していますが…

その場合、「扶養家族の人数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当」にあたりますので、除外できます。
ただし『家族手当』であっても、扶養家族の人数に関係なく一律に支払われる場合は除外できません。

そうなんですね。
知りませんでした😔

『通勤手当』についても、通勤に要した費用や通勤距離に関係なく一律に支給するものは除外できません。
多くの会社は通勤距離に応じて支給しているので、除外されます。
割増賃金については、『就業規則・賃金規程の中で規定されている』ので確認されると良いですよ。

手当の名称だけで判断できないのですね。

賃金規程も確認してみます。
ありがとうございました。

POINT

①割増賃金の基礎となる賃金から除外できる賃金は法令の定めがある
②除外できる賃金は名称ではなく、実質的に判断される