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【 第44回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「服務規律の役割」

みなさんは、「服務規律」が多くの会社の就業規則内にあることをご存じでしょうか?

就業規則の構成は、大きく3つに区分することができます。
1)絶対的必要記載事項・・・必ず記載しなければならない事項
2)相対的必要記載事項・・・制度を定めた場合は必ず記載しなければいけない事項
3)任意的記載事項・・・「服務規律」「配置転換」など記載してもしなくても良い事項

「服務規律」は” 任意的記載事項 “に該当するものですから、 記載する・しない はどちらでも構いません。
しかし、多数の労働者を組織的に活用し円滑に企業運営をするためには、企業秩序の確立・維持が不可欠となります。
こうしたことから「服務規律」は、就業規則の中でも最も重要な項目の1つで、任意的記載事項ではあるけれども記載すべき事項です。


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

就業規則を確認していたら「服務規律」…ふくむきりつ?? を見つけました。
『身だしなみ』とか『職場の整理整頓』とか学校で習ったようなことが記載されています。

そうですね。
就業規則は、労働基準法の規制をうける「労働時間」「休日」「賃金」等の労働条件だけが記載されているイメージですが…
法令や公序良俗に反しない前提で、「会社の方針」「従業員像」「勤務態度」など自由に定めることができます。
会社独自の考え方をもっとも反映させることができる項目といえます。

なるほど。
当たり前だよねぇ‥と、思う事が多いように思います。
服務規律に違反した場合には、罰則があるのでしょうか?

服務規律のみに規定しても懲戒するためには、懲戒の根拠・区分やその事由についても規定が必要です。

就業規則の懲戒規定へ記載がなければ罰則は受けないということですね。

おっしゃる通りです。
服務規律と懲戒の項目を充実させておくことで、労使みんなの目標達成に非協力的な労働者や自己中心的な労働者をなくす合理性が担保可能となります。

だらしない人やいつも机の上がぐちゃぐちゃな人は、声がかけづらいことがあるのでルールがあると安心です。

労務相談を受けていると…
社会人として、当たり前のことが当たり前に行動できない人が増えているなぁ‥と、感じることが多いです。
「こんなこと、学校で習っただろうから書いておかんでも…ねぇ。」と、
あえて規定しないとおっしゃる社長さんもいらっしゃいます。

規定しないことが、” 世代のずれ “でしょうか?
時に社長を悩ませる原因になります。

確かに、大先輩とは「えっ!?」と、考え方の違いに驚くことがあります。

ちゃんと会社がなすべき義務を履行しているのであれば、当然、労働者に対する服務規律の徹底を図るべきだと考えます。
服務規律は、項目を増やして網羅的に規定することが必要です。

テーマごと規定すると周知の際も効果的です。

従業員の私たちが見やすく、理解し易いのは助かります。
一度、服務規律へ目を通すことにします!
ありがとうございました。


POINT

①法令や公序良俗に反しない前提で、自由に定めることができる。
②懲戒するためには、懲戒の根拠・区分やその事由についても規定が必要。
③項目を増やして網羅的に(テーマごと)規定することが大切!