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【 第46回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「休業手当と休業補償」

「休業手当」「休業補償」は、似たような単語のため混同されやすいです。
間違って理解していると、思わぬミスにつながることも… 具体的にどのような点が違うのでしょうか?


前回の【 第45回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「労災の休業補償 最初の3日間の取扱い」では「休業補償の計算方法」にも触れています。


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い設けられていた「雇用調整助成金の特例措置」が変更されると聞きました。

雇用情勢を見極めながら縮小の幅が決められています。
厚生労働省のホームページに今後の特例措置の予定が掲載されているので確認してみると良いでしょう。
次第に「With コロナ」の時代に移行していることを感じます。

当社でも雇用調整助成金を利用していました。
大変な時期に、助成金に助けられたと感じています。
ちなみに、その際に「休業手当」という表現と「休業補償」という表現を耳にしました。
とても似ている単語ですが、これらは違うものですか?

はい、異なります。

休業手当は、労働基準法第26条で「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」と定められています。
従業員が働くことができる状態なのに、会社が従業員にさせる仕事がなく休業とする時には、休業手当の支払いが必要になります。

なるほど!
休業手当は、会社都合の休業ということですね。

一方の休業補償は、労働基準法第76条において、従業員が業務上負傷したり疾病にかかったりした場合で、「療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない」と定められています。

休業補償は、労災(業務災害)で働くことができないときにその賃金を補償するということですね。
似ている単語でも、意味合いが全く異なるのですね…

はい、そのとおりです。
言葉は似通っていますが、支払う目的が大きく異なります。

また、休業手当は社会保険や労働保険において報酬や賃金として扱われますが、休業補償は報酬や賃金としては扱われません。

確かに休業手当を支払ったときは、定時決定(算定基礎)で報酬として取扱い、給与計算では休業手当も含んで雇用保険料を計算した記憶があります。

その他、所得税の取扱いも異なるようですので、国税庁のホームページをご確認いただければと思います。

今後、休業手当や休業補償を支払う際には注意したいと思います。
ありがとうございました!


POINT

①休業手当は ”会社都合” で従業員を休ませる場合に支払うべきものであり、休業補償は ”業務災害” による負傷・疾病で働くことができない場合に支払うものである。
②『休業手当』と『休業補償』は、社会保険 や 所得税 で取扱いが異なる。

🙄一部労働のある場合の『休業手当の計算』には注意が必要です。ご不明な点は専門家等に確認しましょう!