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【 第48回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「賞与を支給したときの社会保険料」

12月は賞与を支給する会社が多い時期です。
今回は賞与支給時の社会保険料の控除について、再確認してみたいと思います。


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

当社では12月15日に賞与を支給する予定です。
その後、12月20日に退職する従業員がいるのですが、何か注意する点はありますか?

まず、賞与を支給したときには、賞与額に応じて社会保険料を控除する必要があります。
賞与額の1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」といい、これに保険料率をかけた金額が賞与の保険料額となります。
保険料は事業主と被保険者が『 折半 』で負担します。

はい。
賞与の社会保険料は、「標準報酬月額・保険料月額表」を使用するのではなく、「標準賞与額」に保険料率をかけて計算しました。

それから・・・
この「標準賞与額」には上限があることはご存知ですか?
健康保険料は年度の累計額573万円(年度は毎年4/1~翌年3/31まで)
厚生年金保険は1か月あたり150万円となっています。

また、賞与支給後は5日以内に「被保険者賞与支払届」を提出しなければなりません。
この届出内容により標準賞与額が決定され、賞与の保険料額が決定されるとともに、被保険者が受給する年金額の計算の基礎となるものですので適切な届出をお願いします。

分かりました。忘れないように提出します。
ほかには何かありますか?

次に介護保険料は、毎月の保険料と同様に、40歳に達した月から控除が必要となり、65歳に達した月からは控除が無くなります。


以前お伝えしましたが、” ○○歳に達した日 ”というのは誕生日の前日となります。

例えば…誕生日が『 1月23日 』の人が” 65歳に達した日 ”は『 1月22日 』となります。
1月22日で 満65歳 となるわけです。(何だか早く年を取ってしまう気がします…😖)

12月1日が誕生日の場合、その前日の11月30日に40歳に達するので、11月分から介護保険料を控除する必要があるのですね。

その通りです!
今回退職する従業員の社会保険料については、毎月の保険料と同様に、資格喪失した月からは社会保険料がかかりません。
12月20日退職ということは12月21日が資格喪失日となりますから、12月に支給する給与・賞与からは保険料を控除しません。

これが12月31日の退職だった場合は、1月1日が資格喪失日となるため12月支給の給与・賞与から保険料を控除する必要があります。

退職日の翌日が資格喪失日でしたね。
退職でなく、育児休業中の従業員はどうなりますか?

病気などで休職中の場合は社会保険料を控除しますが、産前産後・育児休業中で、事業主の申出により社会保険料が免除となっている従業員については控除しません。
産前産後・育児休業から復帰するタイミングで賞与が支給される場合は、復帰日の属する月の前月まで社会保険料免除の対象となります。

退職や育児休業などがあった時には注意しないといけないですね。
その都度確認して手続きしたいと思います。
ありがとうございました。


POINT

①賞与にかかる社会保険料は、「標準賞与額」に保険料率をかけた金額を控除する。
②賞与支給後、5日以内に「被保険者賞与支払届」を提出する。
③資格喪失した月の賞与は、保険料の対象にならない。
(資格取得と同月に資格喪失があった場合は、資格取得日から資格喪失日の前日までに支払われたものであれば対象となる)


■参考リンク
日本年金機構:従業員に賞与を支給したときの手続き