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【 第67回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】  「パートタイマーに対する労働条件の明示」

使用者が労働者を採用するときは、労働条件を書面などで明示しなければなりません。
パートタイム労働者の場合は、正社員より多くの項目を明示する必要があります。
具体的に、明示するべき項目や明示方法を確認してみましょう!


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

来月に雇用契約の更新時期となるパートさんがいます。
労働条件通知書を改めて交付することになりますが、ひな型を見たところ、正社員にはない昇給や賞与、退職金について「支給する・しない」という項目がありました。
これらは正社員には明示しなくてもよいのでしょうか?

労働条件の明示事項は労働基準法第15条で定められています。
これに加え、パートタイマーについてはパートタイム• 有期雇用労働法で、


①昇給の有無、②退職手当の有無、③賞与の有無、④相談窓口


の4項目を明示することになっています。

根拠となる法律が異なっていて、パートさんにはより多くの項目を明示する必要があるということですね。

ところで、4つ目の「相談窓口」とはなんでしょうか?

パートタイマー等からの苦情を含めた相談を受付ける窓口ですね。
例えば、「明示された労働条件と実態が違う」という問い合わせや「同一労働同一賃金について不明点があるので説明をしてほしい」などの相談が寄せられることが考えられます。

相談を受けた場合には、当然その内容や状況に応じた適切な対応が求められます。

現在は人事課長の氏名を記載しています。
これは特定の人の氏名を記載した方が良いのでしょうか?

相談担当者の氏名を明示しても良いですが、相談担当者の役職、相談担当部署等でも差し支えありません。
特定の人の氏名の記載までは求められていませんが「誰に相談すればよいのか」ということを分かるようにしておくことで、相談しやすくなると思いますよ。

なるほど!
何か悩んでいて「誰に相談すればよいか分からなかったので退職します」となるのは残念ですからね…

ちなみに、今回の契約更新から、労働条件通知書を書面で渡すのではなく、電子メールで送付したいと考えています。

書面での交付が原則となっていますが、従業員が希望した場合は、電子メールやファックスでの交付も可能です。
ただし、この場合は出力して書面を作成できることが条件です。

まずは、事前に対象となる方に、書面ではない交付についての希望を確認する必要があります。

承知しました✨
会社からはパートさんにもメールアドレスを発行していますし、会社のパソコンから印刷することもできます。
交付方法の希望を確認して、進めていきたいと思います。

ありがとうございました😃


POINT

①パートタイマーや有期雇用労働者には、労働条件を明示する際に、正社員とは異なる明示項目がある。
②労働条件の明示は、従業員が希望した場合に電子メールやファックスで行うことも可能である。ただし、出力して書面を作成できることが必要。