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【 第77回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「月の途中で時間給を変更したときの月額変更の変動月の考え方」

2023年度の地域別最低賃金は、過去最高の引き上げ額となりました。
10月1日以降、都道府県ごとに決められた発効日に最低賃金が発効されますが、そのタイミングは1か月ごとに区切った賃金計算期間の途中となるケースもあります。
今回は、賃金計算期間の途中に賃金額を引き上げた際の月額変更の変動月の考え方について確認していきます。


実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

当社では10月の最低賃金の引上げに伴い、最低賃金を下回るパートさんの時間給を引き上げました。

今回の引上げ幅は、かなり大きかったので、人件費負担も増えたのでしょうね

はい。今回は最低賃金の引き上げ幅が大きいこともあり、パートさんには申し訳ないと思いつつ、給与締切日の途中の発効日に合わせて時間給を引き上げることにしました。
そこで、月額変更(随時改定)のことで確認しておきたいのですが、よろしいでしょうか?

どのようなことでしょうか?

10月に支給した給与は、ざっくりとお伝えすると、前半は最低賃金引上げ前の時間給、後半は最低賃金引上げ後の時間給で計算した額になっています。
そこで、月額変更のことがふと気になりました。
月額変更は、給与の変動月から3か月間に支給した給与を平均して考えることになるかと思いますが、今回も同じように10月~12月に支給する給与で考えればよいのでしょうか?

10月支給分の給与が低額になっていることを気にされているのですね。
お考えのとおり、低額の賃金が混ざることになりますので、標準報酬月額としては満額になりません。
そのため、今回は、最低賃金引上げ後の時間給で満額計算される11月~1月に支給する給与で考えることになります。

そうでしたか!
確認してよかったです🙂

日本年金機構では、「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」(以下、「事例集」という)を公開しており、この中に「昇給・降給した給与が実績として1か月分確保された月を固定的賃金変動が報酬に反映された月として扱い、それ以後3か月間に受けた報酬を計算の基礎として随時改定の判断を行う。」と示されています。
今回の場合、10月分の給与は、引上げ前の時間給が入っているため、10月は変動月とは扱わず、11月を変動月として扱うことになります。

承知しました。

1月の給与支給額が確定した後に確認するようにします。
しかしそう考えると、住宅手当や通勤手当なども、給与計算期間の途中で変更になっていたように思います。
これまで意識していませんでした・・・。

今後はしっかりと確認すると良いと思います。
給与締切日に合わせた支給方法に見直すという対応も選択肢として考えてよいかもしれませんね。

確かにその通りですね✨
そのような対応も検討してみます。
ありがとうございました😄


POINT