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【 第101回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「労働者不足への対処方法」
近年、生産年齢人口の減少等により、労働者不足が深刻化しています。
今年9月に厚生労働省が公表した労働経済動向調査の中では、労働者不足の対処方法が取り上げられています📖
今回はその内容について、詳しくみていきましょう!
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
当社では、随時求人募集を行っていますが、応募すらない状況で困っています。
何かよい対処方法はないでしょうか?
労働者不足は、現在の日本が抱える重要な問題の一つとして度々話題となっていますね。
2024年9月に厚生労働省から公表された労働経済動向調査(令和6年8月)の概況の中では、労働者不足の対処方法に関する事項が盛り込まれています。
過去1年間(2023年8月から2024年7月まで)に行った労働者不足への対処方法について、割合の高いものから順にみてみると、上位5つは以下のようになっています。
1位 正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加 59%
2位 在職者の労働条件の改善55%
3位 臨時、パートタイムの増加 40%
4位 派遣労働者の活用 38%
5位 求人条件の緩和 36%
「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」の割合が一番高いのですね。
正社員への登用については、優秀なパートタイマーがいれば正社員に登用する動きが強くなっているということでしょうか?
そうですね。
優秀なパートタイマーについては、戦力の確保のために早めに正社員登用していく動きが見られますね。
次に、今後1年間(2024年8月から2025年7月まで)の対処予定方法をみてみると、割合の高かった上位5つは以下のようになっています。
1位 正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加 60%
2位 在職者の労働条件の改善48%
3位 臨時、パートタイムの増加 41%
4位 離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用 36%
5位 派遣労働者の活用 35%
4位の「離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用」とは、どのようなものでしょうか?
資料によると、離転職の防止策の例として、労務管理(労働条件以外の福利厚生、労使関係など)の改善や教育訓練の実施などがあると記載されています。
「再雇用制度」には定年退職だけではなく、子育てのために一旦退職した女性などを再雇用する仕組み、いわゆるアルムナイも含むと記載されています。
なるほど❗
一旦退職した人を再雇用していくような取組みがあるのですね。
また、この調査結果を産業別にみてみると、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業では、「臨時、パートタイムの増加」、サービス業(他に分類されないもの)では、「在職者の労働条件の改善」の割合が、過去1年間の対処方法と今後1年間の対処方法ともに、一番高くなっています。
新たな雇用に向けて取り組んでいくのか、既存従業員の退職防止策を強化し、まずは在職者の定着に向けた労働条件の改善をしていくのか、会社が抱える問題・状況によって対処方法が異なってくると考えます。
その通りですね😄
まずは自社の状況の分析から始めてみようと思います✏️
ありがとうございました。
POINT
①過去1年間の対処方法では、「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」の割合が一番高い。
②今後1年間の対処方法では、「離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用」も注目されている。
③会社が抱える問題・状況によって、新たな雇用に向けて取り組んでいくのか、まずは在職者の定着に向けた労働条件の改善をしていくのか、対処方法が異なってくる。
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