お役立ち情報・BLOG
【 第115回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「業務災害の補償と労働者死傷病報告」
従業員が仕事中にケガをして休むことになった場合、労災保険からの給付は4日目以降からしか支給されません。
それでは、最初の3日間はどうすればよいのでしょうか?
今回は、業務災害が起こった時に、会社が行うべき補償や手続きのポイントを確認します。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

先日、仕事中にケガをした従業員がいます🏥
2週間ほど安静にするように、医師からの指示が出ているため、労災保険の休業補償給付を請求しようと思っています。
労災保険の休業補償給付は、休んだ日から数えて4日目から支給されると聞きましたが、3日分はどのようにすればよいのでしょうか?

そもそも休業補償は労働基準法に規定されており、休業の1日目から会社が補償を行うことが義務とされています。
そのため、労災保険では支給されない3日分は会社が補償する必要があります。

そうなんですね😯
具体的な補償額はいくらになるのでしょうか?

休業1日につき平均賃金の6割を支給することになります。
ちなみに、労災保険における休業補償給付は、休業1日につき給付基礎日額の6割に加え、特別支給金として2割が支給されるため、8割の補償となります。
違いがあることは押さえておく必要があります。

なるほど。
それでは次の給与と一緒に振込すればよいですね。

はい、実務上は本人に確認した上で、そのように対応することで問題ないでしょう。
ただし、休業補償は非課税となる給付であり、また、社会保険料や労働保険料の対象にもなりません。
基本給や各種手当と同じように1つの手当として支給すると誤った処理になるかもしれませんので、お気をつけください。

分かりました。
そういえば、今回、4日以上の休業が発生するため、労働者死傷病報告の提出も必要ですよね?

そうですね。
休業4日以上の場合には遅滞なく、労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出する必要があります📄
災害の内容についても細かく確認する必要があります。

明日お見舞いにも行こうと思っていたので、その際に本人に災害の状況を聞いてみます。

それが良いと思います。
ちなみに、労働者死傷病報告については、2025年1月1日以降、電子申請での提出が義務付けられています💻

そうなんですね、教えていただいて助かりました😊
そういえば、今回の休業が、もしも4日未満の場合はいつまでに報告する必要があるのでしょうか?

休業4日未満の場合は、提出期間が四半期ごとの翌月末日までとなっています。
具体的には以下の期間ごとに発生した労働災害をまとめて報告することになります。
1~ 3月分 4月末日までに報告
4~ 6月分 7月末日までに報告
7~ 9月分 10月末日までに報告
10~12月分 1月末日までに報告
労働災害が発生したにもかかわらず、労働基準監督署に報告しないと「労災隠し」とみなされる可能性がありますので、報告を忘れないように気をつけてください。

なるほど、それは気をつけないといけませんね❗
今後も適切に対応していきたいと思います。
ありがとうございました✨
POINT
① 業務災害で休業が発生した場合、最初の3日間は会社が休業補償を行う必要がある。
② 業務災害で休業が発生した場合(休業せずに死亡となった場合を含む)には、労働者死傷病報告を提出する必要がある。
■関連記事
【 第87回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「労災の死傷病報告の提出について」
■参考サイト