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労務管理を学ぶ【給与編📚】 2025年度の最低賃金
◆そもそも最低賃金とは…
賃金額は労使で自由に決めることができるものですが、「最低賃金」として企業が従業員に最低限支払うべき額が定められています。
この最低賃金には、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません💸
◆例年と異なる「発効日」
今年度の「地域別最低賃金」ですが、昨年以上の大幅な引き上げとなりました⤴️⤴️
最低賃金は毎年10月に改定されるのが通例です。
しかし、2025年度は異例のスケジュールとなっており、11月や12月から適用される県、さらに2026年1月や3月に発効となる県も出ています。
静岡県の最低賃金は、1,097円(改定前1,034円)となり、2025年11月1日から適用されます。

今年度は、都道府県で発行日が大きく異なりますので注意が必要です。
◆最低賃金の確認方法
賃金が最低賃金額以上となっているかは、おおまかに(1)~(3)で判断できます。
(1) 時間給制の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)
(2) 日給制の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)
(3) 月給制の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
また、最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
①~⑥の賃金は最低賃金に含めることができないので、除外して計算します📱
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
② 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
③ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
④ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
⑤ 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
⑥ 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
最低賃金の改定は、企業の人件費や従業員の生活に直結する大切な制度です。
2025年度は発効日が例年と異なるため、事業所の所在地の最低賃金額と適用開始日に注意してください。
特に、給与計算を月給制や日給制で行っている場合は、時給換算した金額が最低賃金を下回っていないか確認しましょう❗
政府の方針として「2020年代までに1,500円となることを目指す」と示されているので、
今後も毎年の引き上げが続くことを前提に、人件費の見直しや生産性向上の取り組みを早めに検討していくことが重要です。
■参考サイト
厚生労働省 「地域別最低賃金の全国一覧」
厚生労働省 「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」
厚生労働省 「最低賃金の対象となる賃金」