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株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(プレ葉ウォーク浜北店)様

ヴィレヴァンのポップにかける思い…宇宙一の店を目指す

企業情報

企業名株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(プレ葉ウォーク浜北店)
業務内容「遊べる本屋」をキーワードに、書籍、SPICE(雑貨類)、ニューメディア(CD・DVD類)を複合的に陳列して販売する小売業
所在地浜松市浜北区貴布祢1200番地
プレ葉ウォーク浜北2階
電話番号053-584-0066
FAX番号053-584-0066
ホームページhttps://www.village-v.co.jp/
お話プレ葉ウォーク浜北店 店長 平野 敏弘 様

会社の概況を教えてください

会社全体としては、次のとおりです。

設立:1998年5月創業(1986年11月)
資本金:2,242,489千円(平成23年5月31日現在:連結)
売上高:39,807百万円(同上)
経常利益:3,570百万円(同上)
当期利益:1,679百万円(同上)
決算日:5月末日
従業員数:正社員307名+臨時雇用者2,481名
店舗数:365店舗(直営343店+FC22店)

※このデータは数値のみ平成23年5月31日現在のものです。

会社の理念・基本方針を教えてください

存在理由

我々はヴィレッジヴァンガードという、いままで世の中になかった独創的な空間を顧客に提供し続ける。
ワン・アンド・オンリーのこの空間が美しく、力強く進化することを我々は永遠に顧客から求められるであろう。
我々が立ち止まることは許されない。我々は期待されているのだ。

行動規範

  1. 仲間こそヴィレッジヴァンガードの強さの源である。
  2. 私たちは個人の自主性と進化に最大の敬意を払い、感謝を惜しまない。
  3. お客様は常に最上位に位置する存在である。私たちはそのことを片時も忘れてはいけない。
  4. 私たちは常に困難で野心的なミッションに挑戦し続ける。
  5. 私たちはチェーン・オペレーションに頼らない、ワクワクする専門家集団を作り上げる。

会社の特色を教えてください

私が会社全体の特色を語るのはおこがましいので、この会社の何店舗かで合計10年以上店長をやってきた私が感じることをお話させていただきます。

私は大学卒業後、新卒でこの会社にアルバイト入社しました。(現在の店長は、全員アルバイトからの叩き上げです)昔から本が好きでしたが、学生時代に偶々ヴィレッジに来たときに、自分が好きな本が棚に置かれていてまるで自分の部屋にいる感じがするほど自分にあったお店でした。元々、自分にあった仕事がしたかったし、自分が好きな本をお客様に売ることが仕事なんて素晴らしいなと思って入社しました。

約2年でアルバイトバイト店長に、さらに3年後に社員店長になりました。(通算5年間アルバイトだったということです)、全国の各店舗を経験して、昨年にプレハウォーク浜北店に来ました。これで7店舗目です。

初めから、苦労の連続でした。売上が落ちれば、自分には能力がないのではといった不安や迷いが生まれます。売りたい商品と、実際に売れる商品とのギャップ、店のスタッフとコミュニケーションが取れないなどは当たり前のようにありました。他の店長より何倍も失敗したと思います。店長を降格になったこともあります。自分はこの仕事にむいてないのかも、好きなだけでは駄目なのかもしれないという不安は、つい最近までありました。
でも辞めませんでした。はっきり言うと意地でした。高校や大学の同級生に負けたくありませんでした。自分は敢えてリスクを冒したんだ、安定した生活を選んだやつらに負けてたまるか。自分の会社を大きくしていけばいいじゃないかと。私には、そういう負けない気持ちしかありませんでした。だから、勉強しました。そして、それでも足りない所は店のスタッフに助けてもらいました。少しずつうまくいくようになりました。スタッフ一人ひとりを尊重し、その人の得意なところを存分に発揮してもらう。自主性を重んじ先回りして答えを用意しない。成功も失敗もすべて100%成長のための栄養になるようにあくまでも助言にとどめる。判断と行動は、スタッフ本人が決める。
考えてみると、それは私が会社にしてもらったことと同じでした。当社には特に営業面に関してはマニュアルというものがなく、教わることがありませんでした。だから、店長なりたての頃は何処に何を注文すればよいかもわかりませんでした。
しかしそんな私に会社は、何千万円という商品をまかせてくれたのです。今思うと恐ろしいことです。本部などの指示が全くない状況では、自分で答えを見つけるしかありません。なかなか正解にたどり着けずいっぱい失敗しました。
が、それを会社は許してくれました。何度もチャンスをくれました。今でも心から感謝しています。だからそれに気付いてからは、わたしも店のスタッフには自分で答えにたどり着けるように、より信頼し、より仕事を任せるようになりました。今では、スタッフの成長が大きければ大きいほど店の売り上げも大きくなると確信しています。
「人の育て方」に関して私が心掛けていることは「いかにアルバイトの良いところ、やりたいことを上手く発揮させてあげられるか」です。その子の長所をいかに伸ばすかを必死で考え、その子の良いところ又はやりたいことが溢れ出るようにする店長のあり方、接し方が大切です。決して力でコントロールしようとしてはだめ。それよりも、その子がより働き安いように障壁を取り払ってあげる、環境を整えてあげれば勝手にいい方向に歩き出してくれるのです。
そして、それは、当社菊池会長の本にも書かれていますが、この会社のいちばん核になっている理念(私が勝手にそう思っているだけですが)に繋がっています。「店長、店員のパーソナリティー、バックボーンを店に反映させよう」というものです。私の心が一番震えるところです。チェーン店なのに、個人の店の様に、店舗ごとに味わいが違う。働いている人と、陳列商品に絆がある。実際当社には、各店舗の仕入・発注は、その店の店長、アルバイトにまで権限が与えられているのです。
例えば、ポップや、ディスプレイはテクニックであって、それだけでは真似されます。ですが、その根底にある個々の熱い気持ちは絶対に真似されないし、自分が本当に売りたいと思う商品ならより力が入ると思います。自分の内側だけには、どうしてもおさまらない気持ち、胸のざわつき、ひょっとしたらこれは世の中の人も同じようにドキドキするのではないのかという根拠のない確信。これらは商売の原点の気がします。
だから私は、下手なことより、本気でないことの方が怖いです。会社ですから、もちろん自分が売りたい商品だけを売って終わりではありませんが、まずは自分の好きなものを売ることでアルバイトに自信を持たせてあげることは必要だと思います。そこでの失敗・成功が一番身になります。
店長をしていて、店の業績があがるのは当然嬉しいですが、それ以上に嬉しいこともたくさんあります。例えば、アルバイトが自分で主体的に動き出したときや、私が昔店長だった店でアルバイトだった子が、店長に昇格になると嬉しいですね。
目標は、笑顔の数で宇宙一の店を目指したいと思います。もちろん、お客様と従業員の笑顔の数も含めてです。落ち込んでいる人もうちの店に来れば元気になってしまうような店です。そんな店を作って、キープし続けられたら最高ですね。プレハウォーク浜北にお越しの際には、ぜひ当店にお立ち寄りください! お客様の目で当店を確かめてみてくださいね。

夢を追い求める青年 南口 拳志 様のご紹介

僕はここに入って6ケ月ほど経ちます。現在、21歳。高校時代からアクトシティ浜松にあるヴィレッジによく行っていたので、お店のことは知っていましたし、こんな店で働きたいなと思っていました。当時から、商品につけられたポップがとても面白かった思い出があります。元々、ヴィレッジは高校生のアルバイトを採用していなかったので、今までにいろいろな業態のアルバイトをしてきました。

ヴィレッジでを一言でいえば、「自由な」お店ですね。アルバイトにも商談や、商品の発注をする権限を与えてくれて、非常にやりがいがあります。自分の思うようにやらせてくれて、自分の趣味の店をつくっていくという感じです。今までのアルバイトとは違い、責任も重いですが今まででいちばん「やりがい」というものを感じています。僕は現在店内のカバンと下着類を任せてもらっていますが、自分の「売れてほしい」商品が売れると嬉しいですね。

あと(多分これが一番)、店長と似ている趣向があったことが嬉しいですね。
僕はシュールな漫画やサブカル、アングラ的な音楽が好きなんですけど、浜松に帰ってきてここまで自分と趣味が合う方ははじめてでした。そういう意味では、店長は仕事以外でも僕のよき理解者であり先生(笑)でもあります。

辛かったこと、いちばん勉強になったことは、お客様からクレームをもらったときのことです。入社2~3ケ月のときでした。仕事を始めたばかりのころによく言われることですが、やはり「慣れ」が一番怖いですね。店長よりもさらに上のエリアマネージャーとお客様の自宅まで謝りに行きました。その経験から、社員もアルバイトもお客様にとっては一緒だ。という言葉の本当の意味を理解できて、仕事に対する取組姿勢を見直すきっかけになりました。そのときも店長は「ミスしてしまったことは仕方がないから、これからどうすればいいか前向きに考えて」と誠実な対応をしてくれました。
実は、昔からアパレル業界で働きたいと思っていて、来年から東京へ行くんです。ヴィレッジでは本当にためになる経験を沢山させてもらいました。ヴィレッジには私が高校時代にアクトシティ浜松でみたようなヴィレッジでいつまでもいてほしいと思います。働く人一人ひとりの個性をこれほど売り場に反映している店はなかなかないと思います。昔から今までずっと継承され続けていることをこれからもスタッフ一人一人が意識して、ヴィレッジらしさというものをなくさないで欲しいです。

マイペースな絵本少女 渥美 清香 様のご紹介

私は現在23歳です。ここでの仕事は3ケ月くらいになります。
ヴィレッジには面白そうな本がたくさんあるし、大好きな絵本にも触れていられるからここで働くことを決めました。実はプライベートでは絵本作家を目指しているんです。私はよく自分の世界に入ってしまい、周りが見えなくなることがあります。小さい頃から絵を描いていたからかなあと思います。周りからは「渥美さんってスポーツやったことないでしょ?」とか言われるんですよ(笑)。
でも、この職場は皆いい意味で癖者でよかったです。芸大っていうところはそんな方が多く、むしろ私は少し癖がある人の方が付き合うのが得意なんです。

平野店長に関しては、まともすぎておかしい。考え方とか完璧だし。でも、あのような店長だからヴィレッジのアルバイトをまとめることができると思いますよ。この職場は皆、協調性はないかもしれないけど、一人ひとり独自の領域があり、プライドをもって仕事をしていますから。

私はマイペースで決して仕事ができるタイプではないけど、職場の雰囲気をよくする役割をしていると言ってもらえたことが本当に嬉しかったです。学生時代に病気を経験しているので、より周りの人の変化に敏感に気づけるのだと思います。誰かが弱っていると、自分が頑張らなきゃと変な正義感がわいてきてしまいます。私は基本的にあまり感動する人間ではありませんが、ヴィレッジで働くことによって自然に感性が磨かれ、感動する人間になったら面白いなあと思っています。
今、絵本は全て私が任されていますが、まだまだ知識不足なので、もっと色々な絵本の研究をしてゆきたいです。そして、それがお客様にも認められたら嬉しいです。
最低でも3年間はヴィレッジで働かせてもらおうと思っています。そして、その間で絵の分野で結果をだしたい。絵本で賞をとれたら最高です! これからもヴィレッジからはたくさん勉強させてほしいし、また、私の絵のノウハウも還元していきたいと思います。

“笑顔の現場主義社労士”村松のコメント

今回ははじめて上場企業を現場リポートしましたが、正直言ってこれほどすごい会社だとは知りませんでした。数年前からプレ葉ウォークの中に変わったグッズをいろいろ売っている目立つ店があるなと思っていましたが、今回リポートさせていただいたきっかけは、平野店長でした。
実は、平野店長とは私は高校の同級生で、少し前にプレ葉に買い物にいったときに偶々平野君から声をかけられ約15年ぶりに再会したのでした。確か、高校1年のクラスが同じで席も隣でした。しかも、高校入学してはじめて話したのが平野君だったと思います。平野君は当時からとても誠実な男で、何か大きなことをしでかすのではないかと思っていましたが、まさかこの店の店長とは! そして、平野君から話を聞く中で、ヴィレッジというこの店が上場もしていて特徴的なものすごい会社だと知ったわけです。リポートの中で、商売の本質を改めて認識したような気がします。売れるテクニックはすぐに他社に真似をされる。お客様にファンになってもらうような熱い気持ち、メッセージを忘れてはならない。やはり、経営理念・熱い情熱がいちばん大切なのですね。その通りだとは分かっていても、楽をしてテクニックに走ってしまう会社を偶に見かけます。当事務所も改めて襟を正して努力していきたいと思います。
平野店長は「自分が思っていなかったことをバイトから提案されると嬉しい」「自分の思いどおりに順調に物事が進むのはよくない。少しはでこぼこがあった方がいい」「会社を変えることはできない。自分の店で成功すれば、会社を少しずつ変えていけるかもしれない」「アルバイトのモチベーションがあがれば売り上げがあがる。そして、結果を出し続ければ会社は認めてくれる」とも言っていました。全国365店舗の中のいち店長とは思えないセリフが多く、驚きましたが、権限を各店舗に任せ、独自性をだすことを推奨しているヴィレッジヴァンガードコーポレーションさんの企業体質だからこそだと思いました。
早く結婚して身を固めて、全国どこへでもいってヴィレッジのために頑張る決意はできているとのことです。自分のやりたいことができる会社って素晴らしいですね。平野君のようなモチベーションの高い管理者が集まる会社づくりのヒントを今回のリポートで学びました。
お客様に物を売るだけではなく、ワクワクさせる会社、夢を売る会社。そんな会社が日本にたくさん増えていけばいいなと思います。このような会社だから、アルバイトも夢を追い求める人材が集まるのでしょうね。南口さんには東京でアパレル業界でぜひ成功してほしいし、渥美さんには絵本ができたらぜひ1冊購入させてほしいなと思っています。最後に、平野店長がアルバイトの成長のために評価シート(目標管理シートも入っています)をつくったようなので、ぜひご覧ください。これは、ゲームのドラゴンクエストを参考にして平野店長が自分で開発したものです。評価シートまで店長が作ってしまうとは、ここまで店舗の独自性を認めているのかと衝撃的でした。平野君がプレ葉ではじめてあったときに、部下評価のことを私に何度も質問していた理由が分かりました(笑)。